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鉄筋コンクリート断面における「ひずみ」とは

ここでいう「ひずみ」とは、材料が外部から力を受けて変形した割合を表します。力によって引っ張られたり押しつぶされたりすることで、材料が伸びたり縮んだりする現象です。

ひずみの基本的な意味

ひずみ(Strain)は、材料が力を受けた際の変形量の比率です。例えば、引っ張り力がかかったときに生じる「引張ひずみ」や、押しつぶされることで生じる「圧縮ひずみ」などがあります。

ひずみは、次の式で定義されます:

\[
\varepsilon = \frac{\Delta L}{L}
\]

  • \(\varepsilon\):ひずみ(単位はありません)
  • \(\Delta L\):変形量(材料の元の長さからどれだけ変化したか)
  • \(L\):元の長さ

ひずみの種類

ひずみは、どのような力が作用するかに応じていくつかの種類があります。

  1. 引張ひずみ(Tensile Strain)
    材料が引っ張り力を受けると、伸びる方向に変形し、「引張ひずみ」が発生します。正のひずみとして表されます。
  2. 圧縮ひずみ(Compressive Strain)
    材料が押しつぶされる力を受けると、短くなる方向に変形し、「圧縮ひずみ」が発生します。負のひずみとして表されます。

構造物の設計でのひずみの重要性

鉄筋コンクリートの構造設計において、「ひずみ」は非常に重要な役割を果たします。なぜなら、ひずみがどのように分布するかを知ることで、材料がどの程度の応力(内部の力)を受けているかを把握し、部材が破壊する前にどの程度まで耐えられるかを分析できるからです。

特に、鉄筋とコンクリートが一体となって変形することで、部材全体のひずみが中立軸を基準にして線形に分布すると仮定します。この仮定に基づいて、部材が降伏するモーメントや終局モーメントを計算することが可能になります。

ひずみと応力の関係:フックの法則

ひずみと応力(力の強さ)は、材料の特性に応じて比例関係を持ちます。この関係はフックの法則で表され、次のように書けます:

\[
\sigma = E \cdot \varepsilon
\]

  • \(\sigma\):応力(材料内部に生じる力の強さ、単位は\( \text{N/mm}^2\)または\( MPa\))
  • \(E\):ヤング係数(材料の弾性率、鉄筋コンクリートの場合は鉄筋やコンクリートのヤング係数が異なる)
  • \(\varepsilon\):ひずみ

この式から、ひずみが生じることで内部に応力が発生することがわかります。構造物の強度を計算する際には、このひずみと応力の関係が非常に重要です。

まとめ

  • ひずみは、材料が変形した割合を表す量で、構造物の強度設計に欠かせません。
  • 鉄筋コンクリートでは、引張ひずみと圧縮ひずみが発生し、それらの分布が中立軸を基準に線形になると仮定します。
  • このひずみを基にして、内部の応力や、降伏モーメント・終局モーメントの算出に利用します。

ひずみを理解することで、部材が力を受けたときにどのような挙動を示すかをより正確に把握することができます。

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